第155回『まちむら興し塾』 2018年6月20日
    テーマ
        
インターシップ記~お花見久兵衛~ 
    コメンテーター
   東洋大学 国際観光学部 国際観光学科 3年 佐藤 優 さん
    『まちむら興し塾』当日風景・参加者写真
お花見久兵衛インターシップ体験記
お花見久兵衛 前景
 
  ● はじめに
    
    KAGAルート事務局が運営する「都会脱出作戦」に参加し
    た際に、加賀市でのインターンシップ&免許合宿を提案しまし
    た。

     その提案に、加賀市の老舗旅館「お花見久兵衛」の四代目経
    営者吉本龍平
社長が興味を持って頂き、そのご縁で、インター
    ンシップへのお声かけを頂き、春休みにお世話になりました。

  ● お花見久兵衛とは
    
   石川県加賀市「お花見久兵衛」は松尾芭蕉も愛でたといわれる
   由緒ある山中温泉の49
室の中規模旅館。

    お部屋は、露天風呂付温泉スイ-トルーム、はじめ掘りごたつ
   や足湯もあるなど、多彩なタイプがあります

    館内には、いくつものお客様が感激する工夫がされています。
   旅館名にふさわしく、お花見気分を味わってもらおうと、館内の
   至る所にお花が活けてあります。

    大浴場・露天風呂の他に貸切風呂かある。

   食事は、レストランか、部屋食で、一派的な改正料理ではなく、
   地元素材のこだわった、地産地消で加賀料理を進化させた料理長
   オリジナル「花ごよみ会席料理」で、お客様の評価はとても高い
   です。

  ◆ スケジュール(実務のインターンシップ) 

1日目  14:00-18:00 オリエンテーション、
研修、宿泊体験
2日目  8:00-12:00
14:00-18:00
宿泊サービス部 
予約営業課
3日目   7:00-10:00 
14:00-18:00
料飲サービス部 
レストラン課
4日目   7:00-10:00 
16:00-21:00
料飲サービス部 
レストラン課
5日目  8:00-12:00
14:00-18:00
宿泊サービス部 
フロント課
6日目  8:00-12:00
14:00-18:00
宿泊サービス部 
フロント課
7日目  休み
 
 ● 得たこと・学んだこと

   ◆ 心理学からの経営方法
     NLP手法を活用したサービス体制

◆ 中型旅館の会社形態

◆ お客様への接客方法

◆ ITを活用したお客榛情報整理の方法

◆ 予約の取り方

◆ 各予約サイトや旅行会社との連携

◆ プランの作り方・掲載のコツ

◆ SNSへの掲載や反応
  Facebook、Instagramなどへ積極的な投稿

◆ お客様口コミやアンケートによるお客様の声

◆ それに対する従業員や会社の考え

◆ 従業員の年齢層や能力に伴う各部署の配置
  20代の従業員が少なく、ほとんど40代以上の従業員

◆ 部署連携の方法
  IT活用にお客様の情報を共有して、各部署間で連携。
  おもてなし向上を図っています

◆ 部屋食・宴会場・レストランの食事の調理場の大変さ、
  料理の配膳
   一品ずつ、温かい物は温かいうちにを基本としている。

◆ レストランでの会席料理の提供方法

◆ メニューへのこだわり
  ・花をモチーフにしたストーリー制を持たせ、地産地消に
  こだわった、和洋を織り込んだ、オリジナルな会石料理   

◆ 全体を見る立ち位置を把握することの大切さ

◆ お客様とのコミュニケーションをとることの大切さ
  チェックインの前にお客様情報を極力、把握している。

◆ 分からない場合の対処法

◆ 調理場とホールの連携の重要さ

◆ ホールスタッフの連携のとり方

◆ ホールリーダーの全体を見ての指示の重要さ

◆ レストラン従業員の時間帯による大変さ

◆ フロント業務の幅広さ

◆ チェックアウトの方法

◆ 売店の配置の仕組み

◆ 試食による売り上げの効果

◆ タイムセールの意味

◆ 見送りの方法

◆ インカム・社内携帯・内線の使用方法

◆ 仲居さんの基礎

◆ 客室案内・館内説明・荷物運びの方法

◆ お客様によってご案内の時に、親近感を持って頂けるように
  会話に工夫をしている。
   ご案内しながら、お客様が「ハイ」と答えてもらえるよ
  うな質問を3回投げかけるように心掛けている。
  「今日はお天気が良くて最高の旅行日和ですネ~」⇒「ハイ」
  「あ~、元気なお子様ですネ~」 ⇒ 「ハイ」 など   

◆ ウェルカムサービス
  高価格のお客様には、到着時、ロビーで手製花団子を提供

◆ 自然との共生の苦労・恩恵

◆ お客様満足度を上げる方法
  樂天トラベルサイトからの予約が一番多く、ますま、予約が
  伸びるように、その中で1日3組限定で特典を設けている。

◆ トラブルを最小限に抑える方法

◆ 旅館はその旅館の色が出やすく、それが肝心である

◆ お客様体験をすることの大切さ
  →お客様の立場になって考える事が可能
  自信を持って料理、サービスの提供

◆ 自然の恩恵と被害

◆ 従業員のモチベーションの上げ方・目標

◆ 幅広い年齢層の従業員による大変さ

◆ 旅館は色が出やすい

◆ 給料制度改革
 (特に少し前まで給与の対象となっていた部屋食・宴会場で
  の接待による飲食売上額での歩合制度を廃止し、給与体系
  の基本を見直しした)

◆ 旅館の宴会場の使用方法

◆ 地方で働くということ

◆ 地方の人手不足

◆ 働き方の多様さ

◆ 社員の生活スタイル

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  ◆ スケジュール(企画のインターンシップ)
     免許合宿に通いながら空いた時間で、業務のインターンシップ
    を終えて

1週間以内

・パワーポイントの作成
・PL・損益計算書の分析
・社長との会合

10日以内

・プレゼンテーションの練習

2週間以内

・プレゼンテーション

2週間後

・インターンシップ記の作成

 
  ● 得たこと・学んだこと

◆ 企画書の作り方

◆ 旅館のPL・損益計算書の分析方法

◆ 宿泊業の資金状態

◆ 経営者からの目線でのサービスや従業員

◆ プレゼンテーションの方法(個人に向けて)

◆ インターンシップが与えるインターン先への効果

◆ 実際白分か考えていたことと現伏の違い

◆ 自分が将来働くようになったらぶっかるであろう物

◆ 会社には話や提案をする人への順番かある

◆ 人へ自分の思い・考えを簡潔にまとめる難しさ

◆ 未来のビジョンを描いて働いている(会社・個人)

    ◆ ステップアップとしての就職先があるということ
  ● 感想


今回のインターンシップでは、授業や他の場所のインターンシップでは得ることの出来ない経験をする事ができた。特に予約営業課は、新たに知る事が多かった。

 

 お客様が予約して実際に来館して過ごしその後までを、全て学ぶことが出来て旅館の仕組みを理解することが出来た。

 

 また、PLを初め様々な情報を見せていただいたことで経営者目線や、社員目線、お客様目線と多方面から考える事ができるようになった。

 

 このことにより、社会にでた際にも役立つのに加えて、就活の際にも相手の立場にたって考えられるようになり大きな成長になった。 

  ● 考察


インターンシップは、受け入れ先も肝心だがそれよりもインターン生の気持ちが重要である。熱意を感じて、任せてもらえる仕事は増えた。

 

 全てに意味のあることであるから、どのように自分のものにしていくのかを考える必要がある。

 

 インターンシップの実務だけでなく、その後の事後学習や企画書作りによりインターンシップで学べることは倍増する。

 

 理由の1つ目は、
  企画書を作ると分かっているため高い意識・目的をもって
  業務をすることが出来る。

 

 2つ目は、より学ぶことが増える。

  企画書を作るにあたって、実際に感じたことだけでなく関
  連のあるものを調査する。

  より深くまで学ぶことが出来る。

 

 3つ目は、
  自己分析ができる。

  フィードバックすることで客観的に自分をみることができ
  る。

 

  これは、インターンシップの目的のミスマッチを防ぐこと
 に繋がる。
 

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 《  お花見久兵衛の紹介 》
  ◎ 2012年 経済産業省 中小企業IT経営力大賞 受賞
出展:経済産業省 中小企業IT経営力大賞ポ-タルサイトより
     ~有限会社 吉花 (山中温泉 お花見久兵衛)~ 


○ 万年赤字の旅館が、IT活用と従業員の多能工化で過去最高利
  益実現
○ 団体客対応から個人客対応への移行のための体制総見直し

 システムを活用した顧客分析と多能工化によるサービス・品質
  向上、経費節減


企業名  : 有限会社吉花 (山中温泉 お花見久兵衛)

所在地  : 石川県加賀市山中温泉下谷町ニ138-1

資本金  : 300万円

従業員数 : 43人

URL  : http://www.ohanami-kyubei.jp  

  ◆ 導入目的
    ITを活用した業務の効率化と営業経費改善競争の激しい個人
    客の中でも新規客獲得
  ◎ 企業概要
     同社が経営する温泉旅館『お花見久兵衛』は、ただ単に、
    「温泉」「部屋」「料理」を提供するのではなく、これらを通
    してお客様に愉しい旅の時間を提供することを使命としています。

 

 『お花見久兵衛』の『お花見』は愉しい時間を、そして、
『久兵衛』はこの旅館の創業者の名前を表しています。

 時代が変化し、たとえ旅館の形が変わったとしても、限りある時間の中で思い出という名の花を咲かせ、愉しさを提供するという創業時の宿の原点は忘れない。そんな強い想いが『お花見久兵衛』の名に込められています。

  ◎ 導入の背景
     団体客から個人客へという変化による市場(売上)の縮小に
    加え、激安チェーン参入などの競争激化による低価格化、個人
    客の旅行形態や志向の多様化による業務の複雑化など、それま
    でのやり方の延長上には未来は無いという危機意識を強く実感
    し、ビジネスモデルや仕組などを根本から変えることの必要性
    と緊急性を感じ、経営課題の実現にITという手段を活用して
    取組みました。
  ◎ IT化の概要
    (1)ASP・クラウド系のホテルシステムを導入
       それまで、部門ごとに分離されていたシステム(予約・
       フロント・会計)を連結し、事務作業の省力化につなげ
       ました。
        さらに、業界の慣習とも言えるタテ割でバラバラだっ
       た部門を統合し、スタッフの業務の幅を拡大できるよう
       に教育し、いわゆる多能工化をし、一人何役もできるス
       タッフを育て、システムの省力化の効果をさらに高めました。
    (2)導入したシステムを活用し、顧客属性や販売データを細
       かく集計分析を実施
       いわゆる顧客ニーズ、販路や商品開発における資本の選
       択と集中の判断が容易になりました。

        結果、効果のある販路や広告に予算を投じ、さらに効
       果を伸ばす事が出来ました。
        また、顧客属性にあった商品開発を行う事も出来ました。
    (3)自社ホームページの制作や改善にも解析ツールを活用
       予約成約率を細かく計測し、ページ修正の効果を測定し
       ました。
     
       具体的には、ページ内の1箇所のみ修正を行い、その後
       の成約率を一定期間計測、数値が上昇すれば修正採用、
       数値が下降すれば修正不採用にしました


        この計画・実行・検証プロセスの繰り返しと積み重ね
       で、自社ホームページの最適化を図っていった結果、売
       上効果の高いホームページになりました。
  ◎ IT経営推進における取組み
    経営者(代表取締役)=IT経営実務者。

 業界の現状を踏まえ、自社の課題を把握し、その上でITという手段を使って、それらの課題をどのように解決していくかのIT戦略策定を行いました。さらにその戦略に基づいた戦術や方法論を実践し、効果検証→実践を繰り返しました。IT経営の効果を上げるために、定期的に各種セミナー等でノウハウを勉強し、それを実践しています。

 

 現在は、食材仕入・管理等のIT化も検討しています。またIT以外にも、業務効率化やコスト管理は「製造業」から、マーケティングノウハウは「通販業」から等、異業種の優れた部分を研究し自社に吸収するなどの取り組みも実施しています。

  
  ◎ 導入効果
     2006年と2010年の比較した効果は次の通りです。


(1)2010年度は過去最高の経常利益(29百万円)


(2)販路別売上比率が逆転。顧客直接・ネット経由と旅行代
   理店経由の比率変化。

  
   直&ネット:旅行代理店比率
  (2006年)=34.8%:65.2%

  (2010年)=72.9%:27.1%


   ※通常同業他社は、直・ネットが約3割、
            旅行代理店が約7割

(3)自社ホームページの予約成約率が解析ソフトの活用で約   2倍に
        0.55% ⇒ 1.26%

(4)自社ホームページでの売上大幅増

           3223万円 ⇒ 8535万円

    (5)これまで来館の少なかった「若年層客」や「カップル・
       夫婦客」が増加

 

2006年(概算) 2010年
30代が 約25%

52.0%

40代~50代が 40%

32.1%

60代以上

35%

15.9%

カップル・夫婦客

約25%

57.1%

(6)ITを活用した経費のかからない集客により、

   営業経費を32%削減
(7)システム導入と連携した多能工化により効率化を図り、

   人件費を8%削減

  【 お花見久兵衛の「花ごよみ会席料理」

加賀の伝統料理を進化させた温泉旅館の新しいお料理。

 

 加賀野菜を使ったスープや吸物、和牛を味わうオリジナルの治部煮など、加賀の伝統をベースに、創作性と独自性を加えた新しい旅館の会席料理を提供致します。

    ただ美味しいだけではなく、楽しい想い出に残るお料理です。
 
 《 2018 初夏から秋の「花ごよみ会席」お献立 》

つぼみ

食前酒

お花見久兵衛限定 桜カクテル

開  花

前菜

楽しい食事の始まり、前菜盛り合せ

三分咲き

椀物

桜豆腐の吸物 

桜餅をイメージした華やかな一品

五分咲き

造り

お造りの盛り合わせ

七分咲き

煮物

和牛の治部煮

満  開

主菜

鯛の加賀棒茶鍋 

棒茶の風味を鯛のお出汁と共に

散り始め

口直し

加賀蓮根スムージー

五部葉桜

蒸物

春野菜あんの茶碗蒸し 

旬の野菜たっぷり

七部葉桜

食事

季節の釜飯 

赤だしとお漬物

葉  桜

甘味

季節のデザート

 
  【36歳の経営者と共に成長を目指す温泉宿】 
    テーマは「楽しい時間の提供」 

 

 単に温泉・部屋・料理を提供するのではなく、それらを通して楽しい時間や思い出を提供するのがコンセプトの旅館です。

 

 業界の固定観念に囚われず、常に改革志向を持ち続けている社長と共に、「自身の成長」「会社の成長」「地方創生への貢献」を目指す会社です。 

  ・『楽天トラベルアワード』5年連続受賞 

 2017年をダブルで受賞
  楽天トラベルシルバーアワード2017 

  楽天トラベル日本の宿アワード2017。


・経産省主催『IT経営力大賞2012優秀賞』受賞

 有限会社吉花 代表取締役社長 吉本龍平氏

  「旅館のスタッフにどう思われようと、結果
 として彼らの成長や幸せにつながればいい。

 そのための環境づくりを進めているところです」
 
 
 写真:久兵衛ホームページ・樂天トラベルホームページより
到着時 Welcom 久兵衛団子 到着時 Welcom 花吹雪 


客室  貸切露天風呂
 宴会場を食事処に レストラン 
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 『まちむら興し塾』&二次会
後列左から、坂井さん、丸田君、金谷さ、樋口さん、伊籐さん、
前列 左から吉田さん、長坂、朝山さん、佐藤さん
 
 
伊籐さん、飯田さん、上松さん  佐藤さん 田中さん、髙野さん 
チュンさん、浅田さん、樋口さん  初参加の3人、左から
ソ ミンスさん、チュンさん、浅田さん 
本日のコメンテーター 佐藤さん
インド旅行を3日前に思い立って一人旅を実行、
 エネルギッシュ、度胸満点、
アクティブ派 
ついにやりました。
希望の「イオンコンパス」に内定
樋口さん 吉田さん
伊籐さん  久しぶり 就活中金谷さん
3年 朝山さん
9月から3ヶ月間ロンドンへ留学
2年 坂井さん
今度、学生幹事です。
2年 丸田君 
熱心さ、粘り強さは一番
江戸伝統工芸品プロジェクト 
つまみ堂 アクセサリー作り体験 
二次会
 今日はとびっきりの盛りあがり、終電近くになってあわててお開き。
とても、和やかなお祝いの二次会になりました
就職先が内定した髙野さんのお祝いを兼ねて

手前。吉田さん、左から坂井さん、丸田君、金谷さん、
就職内定した髙野さん、長坂、伊籐さん
   
すっかりリラックス
左から、金谷さん、髙野さん
長坂、伊籐さん 
2年生コンビ
坂井さん、丸田君 
   
4年生 久々の参加金谷さん
就職が内定した髙野さん 
吉田さん、坂井さん、丸田君 
   
笑顔が最高 吉田さん  いつもにこにこ坂井さん 
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お問い合せ・会員お申し込み

『まちむら興し塾』事務局
 TEL 047-330-4421
 FAX 047-344-1993
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